籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
イライラもするし悔しさもあるが、仕事上でしか関わらない人間に私を理解してほしいなど思っていない。
そんなことよりも、
「引継ぎ終わらない!!!」
「叫ぶな、叫ぶな。ほら、チョコ上げるから」
「ありがとう~夏子がいなかったら本当に泣いてたかもしれない」
「でしょ。感謝せよ」
仕事が忙しくて噂など気にしている暇がない。
パソコン画面にかじりつきながら険しい顔をする私に休憩の度にチョコレートをくれる夏子に感謝しながら黙々と仕事をしていた。
籍は入れていないから結婚の話は上司含め正式に会社に伝えているわけではなかった。
それに、両家の顔合わせで仮に何かがあってこの話が流れてしまった場合を想定すると今の段階で伝えることは出来ない。
和穂さんとはあれ以来キスはしていない。
指一本触れない彼にどうしてかモヤモヤしている自分もいた。
何となく彼の手のひらの上で転がされているような気がする。