籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】

 キスだって溶けそうなほどに上手いのだからきっと女性経験が豊富なのだろう。

それは当然のことなのに、不意に寂しく苦しく感じた。
背中を反らせ、痙攣する体を和穂さんはさらに激しく愛撫する。

下腹部に指が触れると泣きそうな声を出していた。

「怖い?」
「ううん、違うっ…気持ちよく、て…っ」

 柔らかな笑みの中に混じる嗜虐性を帯びる双眸を見ると下腹部が熱くなる。

私がどれだけ動いたって広すぎるベッドの上でただシーツに皺が出来るまできつく握るしかできない。


 
 和穂さんの名前を無意識に呼んでいた。
すると彼も同様に私の名前を呼んだ。名前を呼ばれると気持ちが通じ合っている気がして安心した。
顔に出ていたのだろう、彼が挿入する頃には幾度となく私の名を呼んだ。

「ぁ、…いや…っ…」

嬌声を上げ続ける私を適度に鍛えられた体で強く抱きしめる。
そのうち、私は意識を手放していた。

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