珈琲と花の香りの君
声を張り上げないと、雨音にかき消されてしまう。
容赦なく、ひどくなる雨。
道幅の狭い道路を走る車のタイヤが、道路に溜まった水を跳ね上げた。
とっさに珠利ちゃんを抱き寄せたが間に合わずに、結局2人とも頭の先から足の先までびしょ濡れだ。
なんだか急にとてつもなく愉快な気分になって、横を見ると珠利ちゃんも笑っていた。
「なんか、楽しいね!」
声を張り上げる珠利ちゃんに、
「本当だね!!」
返して、歩く濡れ鼠の2人。