ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
ー高野さん、今家?

ーううん、病院。検査と薬もらわないといけなくて。

ー高野さんの落とし物拾ったんだ。届けにいっていい?

ーそんなの悪いよ。明日受け取るよ。

ー学校だと渡しにくいから。

ーなるほど。わかった、待ってます!

メッセージで許可を取り、俺は病院に向かった。

『獅子谷くん!』

「高野さん。はい、これ。」

『ありがとう。カバンにつけてたんだけどさチェーン切れちゃったみたいで…本当助かったありがとう。』

「そんなにお礼言わなくても…拾っただけだし。」

『何言ってるの?これは、獅子谷くんが私にくれたすごく大切なものなんだから。』

「…そんなに大事にしてくれてるんだ。」

『うん。もう、お守りだと思ってる。小さい私だと思って、大事にしてるんだから。』

「…そっか。」

『切れない強いチェーン見つけよう。手芸屋さんにあるかな?』

「あるんじゃない?」

『獅子谷くんこの後少し時間ある?』

「あるよ。」

『屋上連れてってくれない?話そうよ。今日夏のわりに涼しいし。』

「いいよ。」

高野さんが歩けなくなって、もう屋上で話すことはないと思ってた。

だから、少し嬉しかった。

高野さんと屋上へ行くのは久しぶりだった。

屋上は、夕方だからか誰もいなかった。
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