ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
手紙に書いてあったのは、俺が知らないことばかりだった。

父さんのことは、聞いたらいけない気がしてずっと聞けていなかった。

『獅子谷くん…。』

高野さんに抱きしめられた。

そして、ようやく俺は自分が泣いていることに気がついた。

これじゃ、北海道のときと同じだ。

「…ごめん、高野さん。」

なんで、俺が人を殴ったときじいちゃんがあんなに怒ったのかやっとわかった。

俺は、母さんを殴った人と同じことをしてしまったんだ。

「…ごめんね、母さん。」

思わず、言葉が出てしまった。

『…獅子谷くんは、名前通りの人だよ。』

そう言って、高野さんは俺を慰めてくれた。

「ありがとう、高野さん。もう、大丈夫。」

『こちらこそ、教えてくれてありがとう。』

「重たい話だったかも。ごめん。」

『ううん。』

「また、ノート届けにくるね。」

『うん、待ってるね。』
 

この日、高野さんは何も言ってくれなかった。


いや、俺のせいで言えなかったのかもしれない。


次の日、高野さんが休学することを担任から伝えられた。
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