ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
担任からの連絡を受けて、俺は急いで病院に向かった。

「高野さん、休学するって本当?」

『うん、本当。』

「…治療?」

『そう、学校行きながら治療するのが難しくなっちゃって。』

「…そんなんだ。」

『そういえば、もうすぐクリスマスだね。獅子谷くんサンタさんくる?』

高野さんは、わかりやすく話をそらした。

「さすがに来ないよ。」

『だよね、私も。』

「何か欲しいものあるの?」

『欲しいものだらけだよ。手に入らないものだらけだけどさ…。』

「寿命とか?」

『正解。笑』

「そんな笑顔で言わないでよ…。」

『獅子谷くん、クリスマス一緒に過ごす彼女とかいる?』

「いるわけないでしょ。」

『じゃあさ、ここでクリスマスパーティーしようよ。』

「パーティー?」

『うん!チキンとケーキ買ってさ、一緒に食べようよ。』

「わかった。」

『やった!楽しみ!!』

「ケーキ何がいい?」

『ショートケーキ!』

「普通だな。」

『いいでしょ、別に。』

「クリスマスならさ、ほら、ブッシュドノエルとかー。」

『ショートケーキ!!』

「わかりました。」

俺も、クリスマスが楽しみだった。
 
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