僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
俺が淹れたコーヒーをゆっくりと堪能してから、急いで買い出しに出る。

紫音に車を俺が運転して近くのスーパーまで二人で来て、ほのが手際よくカゴに入れていく。


「祐ちゃん、それいらないよ」
「ええ・・・でも、期間限定だって」
「そんなのに惑わされてはいけません」

「ちぇー・・」

まるで親子みたいな会話。
それが俺と穂香の日常だった。


家に帰ってからも、手際よく効率的にキッチン内を行き来する。

焼けたスポンジに串を刺している彼女は、思い通りに焼けていたのか満足そうにしていた。


俺は当たり障りない手伝いをさせてもらった。
ほのに言われたことを忠実に。
調味料を混ぜたり、入れてかき混ぜたり。

最近は信用してくれてるのか、包丁まで握らせてくれる。

「ああ、祐ちゃん、それはこう切ってよ」
「なるほど…一気にかっこよくなったね」

「そう、見た目も大事な食欲に繋がるからね。重要だよ」
「ほのはそういうとこを大事にするんだね」
「うん、家がそういうのに厳しかったから」

「そう、大事にされてきたんだね」

「・・・そうでもないよ。次はこれ、お願いね」

「はいはい」


鼻歌交じりでジャガイモの皮むきをしていた。
俺の好物のポテトサラダも作ってくれるらしい。

ほんと、いい子。

色んな人に気遣いできて、料理が上手で、社交的で友達も多い。

こんな俺でも彼氏扱いしてくれて、ちゃんと友達にも紹介してくれる。


おれは、恥ずかしかったけど、ほのは俺のことを素敵な彼氏だっていつも自慢してくれるんだ。
その迷いのない態度に、俺は何度も彼女に恋をした。


それなのに、上手く彼女にしてあげられない苛立ちが、自分の中には沸々と募っていたんだ。

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