僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
そんな事を、あの静かな公園の芝に腰を下して、ケイに聞いてもらったんだ。
「変でしょ?」
そうしたら、ケイは首を横にふった。
「全然、変じゃないよ。ダイジョウブ」
同情してくれてるんだと思った。
でも、これで違う目で見られるよなとか思った矢先だった。
ケイが信じられないことを言ったのは。
「ありがとう、聞いてくれて」
話は終わったし、立ち上がろうとしたらケイに腕を掴まれた。
そして意外なことを口にしたんだ。
「やっぱり、そうだと思った」って
そして「私も同じなの」って、少し高い声で言って、俺を見つめてきた。
「え?―――私?」
って言ったよな、いま。
「わたしも、違和感あったのずっと。…その、島崎と同じ。私はこの制服着るの凄くやなの・・」
ケイは着ている学ランをイヤそうに指でつまんでいた。
その時から理解者ができた嬉しさで、見える世界が変わったんだ。
ずっと、心に秘めていた秘密を共有できる人ができて、俺は天にも昇れるくらい嬉しかったし、一気に不安が消えて幸せだった。
それから一気に距離が縮まった俺たち。
恋人になるのは自然なことだった。
「――――ハァ・・・マジか・・・真面目にかぁ・・・」
付き合い始めて2年経った今。俺たちの関係は終わりを告げた。
”本当の自分をさらけ出せる相手がいない”
そのことが再び重くのしかかってくる。
ケイを知らなかった時のように、無邪気に笑って過ごすことなんて、もう俺に出来やしなかった。