僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「お前さ、俺だって冷静になれてないけど?決めつけんなよ」
「ちがう、そういう意味じゃない」
「じゃあどういう意味なんだよ!――――気持ちが俺に向いてないなんて知ってるよ。それでも、お前を信じたかったんだ…。なのに、こっちの気も知らないでよ」
「・・・俺が何したっていうのさ」
「俺が、あの雑魚寝の写メ見てどんな風に思うかなんて考えちゃいなかったろ?テント持たせたよな?それなのに―――なんで、他の男とあんなことにななってんだよ」
ああ、酔ってキスしてきたり、その先の悪ふざけのことを言ってるの?
「あれは・・・ふざけてるだけで、本当じゃないよ」
「へえ?そうは見えなかったけどな?でも、冗談でもよ、ああいうのが目に見えてたから、テント張ってそこで寝ろって言ったんだぞ?」
「だって、初日はテント張るのも億劫なくらい疲れてたんだ」
それに、これから監禁状態になって一緒に働いてくチームだよ?
絆を強くする初日の飲み会でもあるのに、それに加わず一人脱線するとか、下っ端の俺にはありえないんだけど。
「じゃあ!・・・わざわざ、そんな画像送ってくることねーだろうが、———おれは、どんな気持ちであれ見てたと思うんだよ。———ユウは俺にこれを見せても問題ないと思ってるとこが、マジでむかついた」
「・・・・・・・・それはわるい」
「―――謝っても、もう遅いから。こうやってつき合う以上、”最低限”の気遣い”はしてくれないと――――俺だってしんどいんだよ。じゃあな」
飲みかけの激アマコーヒーを残したまま紫音は去っていった。
おれの、せいなの?
あんなの、タチが悪いかも知れないけど、男社会によくある悪ふざけじゃん・・・。
みんなテンション上がってるし、俺らの職種じゃ結構ありがちなことなんだけど?
でも、高学歴ぞろいが集まる職場で働いてる紫音には、いまいちそういうのが理解できない世界なのかもな。
でもさ、あんなことでキモチが切れるんだ?
ああ、だめだ。普通が分かんない。
やっぱりおれはあの時から変わっていないんだ。
ケイと別れた原因もそれだった。