僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~

幸せになる方法


デリバリーの配達をしながら、日が暮れる頃にはお互いに家路につく。


俺らだけじゃなく、ここの地域一帯がそんな感じだった。


ちゃんと休みを取らないと、仕事のパフォーマンスや質が下がる


そんな信念のもとこの国の人達はオンオフを切り替える。


日本は頑張り屋さんだという人もいるけど、昔から変わらないやり方を押し通して無駄に働いているような気もする。

もちろんそれは伝統工芸っだったりすると、必要なことでもあるけど。


一般企業に対して無駄なことが多い気がするのはきっと俺だけじゃないと思う。

頑張り屋さんが多いから、電車の終電の時間も遅くて、自ずとスーパーやコンビニが24Hになる。


飲食店も深夜営業をやらざるを負えなくて今さら戻れない深みにはまる。

俺がいた場所はそれが当たり前の世界だった。


「はい――夜景観賞は終わりー」

でも安全面では日本の方がよかったりする


マンションの窓からライトアップされた街並みをもっと見たいと思うのに、自動シャッターが下げられた。


「これ必要なの?」
「一応な。みんなしてるし、してない時に島くんとアップルになんかあったらやだから」

「ふーん…日本みたいに夜に出歩くのも危険なの?」

「ん――まぁ全部とは言えないけど、行きたかったら一緒に行こう。どこか行きたいの?」


「ん?――うん。ちょっとね、ライブのチラシ見かけて、行ってみたいなーとか思って」

「そう、どこのバンド?」
「ベルギー出身のバンドなんだ」

「そうか―――チケットが手に入ったら一緒に行こうよ」

「ホント?嬉しい」


ライブに行くなんてこっち来てから久々だったからその日が凄く待ち遠しかった。

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