客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
二葉の願い
 真梨子と話をしてから、二葉はずっと彼女のことが気になっていた。

 真梨子さんなりの答えっていうのは一体何を指しているんだろう。良いことも悪いことも頭に浮かび、二葉はモヤモヤが晴れなかった。

 仕事中もふとあの日の会話を思い出しては、考えに耽ってしまう瞬間があった。

「じゃあ企画自体は副島の案で行こうか。ただ宣伝に関しては木之下の方がインパクトがあるかもしれないな」

 部長の言葉で二葉ははっと我に返る。そしてホワイトボードに書かれた文字を見て、自分が全く話を聞いていなかったことに気付く。

『プロポーズ企画
 対象……結婚を考えている男女のどちらか』

「場所の提供、その日の宿泊、食事は両方つけた方がいいでしょうね」
「結婚式まで持っていくために、参加者への特典も考えるべきかな」

 プロポーズか……二葉はまた真梨子と繋げてしまう。

 結婚は二十四歳だったって言ってた。どんな風に出会って、プロポーズを受けたのかな……。好きで仕方ないって言っていたくらいだもの。きっとすごく愛し合っていたはずだよね……。

 一生を添い遂げるつもりで、愛を伝えるのがプロポーズ。匠さんは紙切れ一枚なんて言い方をしたけど、人生を左右する紙切れなのよ。まぁ逆に紙切れ一枚で別れることもできるけど。

 愛を伝える……愛を誓う……か。

『紙切れ一枚に縛られなくても愛し合うことは出来る』

 それって人生に一度だけのことなの?
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