客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

 その言葉を聞いて、匠は驚いたように口を開けた。

「えっ、知らなかった。二葉のことだから、終わらせる気満々だと思ってたよ」
「……匠さんの中の私って、そんなに薄情だった?」

 匠の手が二葉の頬に触れる。何度も優しく撫でてから、力強く二葉の体を抱き寄せる。

「二葉は薄情じゃなくて頑固なんだよね。だから二葉が寂しい気持ちになってくれたって聞いてすごく嬉しいんだ……。しかも二葉も再会を願ってくれてたなんて、めちゃくちゃ幸せ過ぎる。ありがとう……」
「それは私も同じだよ……匠さんが私と同じ気持ちだったって知って嬉しいもの」

 二人はお互いの顔を見合って吹き出した。素直になれば良かったのに、なんて遠回りをしてしまったんだろう。

「やっぱり観音様はすごいな。ちゃんと見ててくれたんだ」
「引き合わせてくれた上、再会までさせてくれた。本当に感謝しかないね……」
「うん……じゃあ最後のお参りに行くとしようか」

 匠に手を引かれ、二葉は嬉しそうに歩き出した。
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