謎解きキッチンカー
その熱さに目を白黒させ、そっと噛んでみると肉汁があふれ出した。


口の中がうまみで一杯になり、自然と笑顔になる。


「キッチンカーって。お昼はどうするの?」


「食べるよ。甘いものを食べに行きたいの!」


そう言ってその場で何度も飛び跳ねる。


そんな香織を見て母親は納得したような顔になり、エプロンのポケットから小銭射れを取り出した。


それを見た香織の目が輝く。


「なにを食べるのか知らないけど、これだけあったら十分でしょう?」


五百円玉を二枚、香織の手の平に乗せてくれる。


香織はそれを見てまた笑顔になった。


小さなお金の中でも、一番大きなお金だ。


小学校四年生の香織は、五百円玉二枚が一月のお小遣いより高額であるとすぐにわかった。


「こんなに沢山、いいの!?」


喜んだのもつかの間、こんな大金をもらっていいものか不安になり、そっと母親の顔を仰ぎ見た。
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