吐息ごと奪ってよ
中に入ると向かい合うデスクが四台。
その上には書類やファイル、分厚い本が山積みになっている。

窓際に一台、左の奥には所長室の札。


ここは一体、、、



所長室の手前には小さめのガラスのテーブルにソファーが二脚。


「とりあえず、これ使って。」

「ありがとうございます」


手渡されたバスタオル、ソファーにもう一枚のバスタオルを敷くと、座るように促された。



「今なにか温かいもの淹れますね。コーヒーとココア、紅茶、何にします?」


「じゃあ、、、ココアで。」


ソファーに腰をおろしてココアを待つ。


―カチッ


「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

「あ、申し遅れました。弁護士の国代 旭と申します。それで、あなたはどうしてずぶ濡れで歩いていたのかな?」


そのとき、初めて私は顔をあげ、弁護士と名乗る国代 旭を視界にとらえた。



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