吐息ごと奪ってよ
シャープな顔立ちに、奥二重で少しつり目。ふわっと柔らかそうな髪質は触り心地もよさそう。
グレーのグラデーションのネクタイが色素の薄い肌に馴染んでる。


そうか、弁護士、、、

それなら、話だけでも聞いてくれるのかな。


「あの、、、」



私は今まで誰にも話したことのない感情も含めて、全てを吐き出すように話した。


ひーくんのことも、黒辻穂高のことも


国代弁護士はただ頷くだけで、私の嗚咽混じりの話を真面目に聞いてくれた。


弁護士という肩書きのせいか、あるいは人柄もあるのか、不思議と何でも言えた私は、肩の荷が下りたように楽になった。


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