吐息ごと奪ってよ
私からしてみたら、ただただ羨ましいに過ぎない。

だって、私はひーくんの恋愛対象外なんだから。


「じゃあ、彩花、行ってくるわね。あと、戸締まり頼んだわよ。」


「はーい。行ってらっしゃい」


ひーくんの後ろ姿を見送って、いそいそと身支度を始めた。


ひーくんは美容師。

中性的な顔立ちで、すらりとした手脚。
人懐っこさと見た目も相まって、男女問わず人気者。



私はというと、ひーくんの隣に並んでも見劣りしないように、なんて、不純な動機でコスメカウンターの仕事を始めたけど、今じゃ結構好きだったりする。



そーいえば、私の人生の選択って、その先には必ずひーくんがいたなぁ。


不毛な片想い、、、

自分で言って悲しくなるけど、いつまで続くんだろう。


この区切りは、完結はどうしたらいいんだろうか。








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