スノー&ドロップス
「えっ、そんな……どうしよう」

 思わず声が漏れる。
 どこからか飛んで来た鳥が、私たちの前を横切って行った。その風に反応して、髪が舞い上がる。

 驚いていると、そのうち『なーんてね。んなわけないか』と会話は流れて、話題は変わっていた。

「心配しなくていいよ。この子たち、いつもこんな感じ。俺のことなんて、大して興味ないよ」

 ポケットへスマホを入れると、藤春くんは坂を上がり線路内へ入っていく。囲いの柵がないから、自由に出入り出来てしまうのだ。

「あぶない……」

 あわてて後を追いかけ、草のしげる坂を上がる。途中で滑りそうになり、地面に手をつきながら、なんとか登りきった。

「電車ならまだ来ないよ」

 手のひらの土を払いながら、小走りで妖精の後ろをついていく。
 太陽に照らされた藤春くんは、キラキラしていて眩しい。白く溶けて消えてしまいそうだ。


「このまま、一緒に死んでみる?」
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