御曹司社長はイケメンで甘すぎです。
中ではシェフが美味しそうなディナーの用意をしている。
創作フレンチなのか、色も形も美しいアミューズがセットされている。
「そ…颯真さん…すごいです。」
「結愛、気に入ってくれたかな?レストランで窮屈に食べるより、リラックスできて良いだろ…」
やはり颯真さんは、サンアンドムーングループの御曹司なのだと痛感する。
後から分かったことだが、来てくださったシェフは5つ星レストランから来てくれていたそうだ。
スケールの違いに驚いた。
確かに、フレンチや高級レストランは慣れないので緊張する。
颯真さんは私を気遣ってくれたのだろう。
偽装の恋人なのに、こんなに良くしてもらって良いのだろうか。
芸術のように美しく盛り付けたアミューズ。
食べてしまうのが勿体ない。
ほうれん草をベースにしたグリーンのスープも美味しそうだ。
スープを少し口に入れると、優しい味とほうれん草の香りが、口の中いっぱいに広がる。
思わず口角が上がってしまう。
「結愛、美味しいようだね…よかった。」