御曹司社長はイケメンで甘すぎです。
颯真さんは自分の運転する車で、私の家まで送ってくれた。
ハンドルを持つ颯真さんも、やはり素敵だ。
眼鏡をかけた綺麗なシルエットの横顔も、ずっと見ていたくなる。
こんなにも素敵な男性が、恋人なんて考えられない。
…あまりにも私と釣り合わない。
私は颯真さんと違い、美人でもないし、なんの取り柄もない普通のOLだ。
考えると悲しくなる。
「結愛、…ゆっくりおやすみ…また連絡するよ。」
「…はい。今日は有難うございました。」
私は颯真さんに挨拶をして、車を降りようとした。
その時、私の右腕を颯真さんは力強く引き寄せた。
「…っえ…颯真さん…」
名前を言いかけた時、言葉が遮られた。
颯真さんの唇が、私の口を塞いだ。
「…ん…んん…」
声が出せない。
心臓が爆発しそうに大きな音を出す。
唇が離れると、私は逃げるように車から降りた。。
「…結愛!」
颯真さんは私の名前を呼ぶが、顔を見ることができない。
私は車に向かって頭を下げ、そのまま自分のアパートに向かって走り出した。
家のドアを開けて、玄関に入るとそのまま力が抜けた。
私は思わず玄関にペタンと座り込んでしまった。