御曹司社長はイケメンで甘すぎです。
颯真さんは、それから日本で私と離れてからの出来事を、話してくれた。
まず、最初に伝えてくれたのは、結婚は破棄になっているということだ。
もともと、勝手に先方が決めていた結婚だったようだ。
実は、颯真さんのお父様も、政略結婚には、あまり乗り気ではなかったという。
意外な話に驚いた。
私は、サンアンドムーン社が政治家との繋がりを、持ちたい為の政略結婚と思っていたのだ。
ただ、颯真さんも33歳になり、そろそろ身を固めて欲しいということから、この縁談は始まったとのこと。
思った以上に先方が乗り気で、お父様も進めるしかなかったそうだ。
さらには、総理の愛娘である麗美は、あまり素行が良く無いと評判で、それもお父様は気がかりだったようだ。
結婚が破棄になり、ご両親も喜んでホッとしているという。
そして、一番に颯真さんが眉を歪めて怒ったのは、政治家の権力を使い、私の勤める東城不動産へ圧力をかけた事と、私への脅迫だ。
しかし、驚いたことに、事前に颯真さんは、私のボディガードも兼ねて、東城不動産にスパイを送っていたという。
政略結婚の話が出てから、先方の動きが気になっていたそうだ。
そのため、社長室や会議室には、前もって盗聴器が仕掛けてあったそうだ。
それが、今回の一連の告発に繋がったのだ。
そのため、総理の秘書が東城不動産へ来て、社長へ言った言葉や、そして社長が私に伝えた内容がすべて颯真さんに伝わっていたのだ。
しっかり録音もされていたという。
さらには、送り付けられた、私と颯真さんの写真は、雑誌等のカメラマンだったそうだ。
そのカメラマンについても、調べはついているという。
「ただ、こういうことは時期も大切だから…タイミングを計っていたんだ。結愛、待たせて悪かったな。」