虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜

 朝になって、お父さんと九条くんを起こして、順に朝風呂に入ってもらってから、お母さんと二人で朝ごはんの支度をした。

 結婚したら、毎日こんな感じになるのかな?

 九条くんを寝かしつけてから、私も眠って、朝は先に起きて、朝ごはんの支度をして……。

 子供ができたら、もっと大変そう。
 
 でも──なぜだろう?
 大変だって分かってるのに、私、全然嫌じゃない。
 どこか私、そんな毎日を、ワクワクしながら待っている。

「結婚するって、そういうことなのよ、きっと」

 お母さんは笑ってそう言った。

 実家には昼過ぎまでいて、九条くんにゆっくり休んでもらってから、私たちはお台場のホテルに戻った。

 後は九条くんのお母さん、瑠美おばさんを待つだけ。

「理恵。たった今母さんから連絡が入って、来週の月曜にはこちらに来るって」

 九条くんが顔を紅潮させて、そう言った。

 その日まで、九条くんは国内線の羽田発着乗務をこなして、私はホテルのフィットネスルームやスパで体調を整えて、月曜日が来るのを待っていた。
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