Gentle rain
「階堂さん?」

まるでそのまま息が止まってしまったかのように、ずっと私を見つめていた。


「あの…こんなに近い場所で見つめられると、困ります……」

「どうして?」

もう、あなたの熱い眼差しに耐えられなくなってしまって、私は思わず顔を両手で覆った。

あなたと会えると思ったら眠れなかったとか、そのせいでクマができちゃったとか、そんな言い訳をして、その視線から逃れたかったのに、あなたは……


「どこに?」

そう言って、今度は私の顎に、その手をあてた。

「階……堂……さん。」

逃れられない。

きっとあなたは、こんなシチュエーションには慣れているのだと、自分に言い聞かせても、胸がドクンドクンとうるさく鳴って、その手を振り払う事は出来なかった。


重なる唇。

欲情のくちづけ。
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