Gentle rain
「どんなって…」

まさか階堂さんだなんて、兄さんには言えない。

「優しくて、カッコよくて、背が高い人。」

「ありきたりだな。」

「それでもいいの!」

それ以上話すと、兄さんに知られてしまうかもしれないし。

「ねえ、兄さんは?兄さんのお相手は、どんな方なの?」

「う~ん……」


兄さんは天井を見て、考える振りをした。


「優しくて、美人で、スタイルのいい人。」

「兄さんだって、ありきたりじゃない。」

「だってその通りの人だから。」

そう言って兄さんは、面白そうに笑った。

「美雨も、会った事がある人だよ。」

「私の知っている人?」

「ああ。」


誰だろう。

今まで会った事がある人を、一通り思い出すけれど、一向に思い浮かばない。


「ヒント。俺の一番近くにいる人。」

「一番近くに?」

「そう!」
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