Gentle rain
「ああ、そうだよ。君を待っていたんだ。」

「どうして!!」


あまりにも真っ直ぐな答えに、気持ちが抑えきれなくなる。

「どうして…!待ってたりしたんですか!」

急に涙を流しながら、声を張り上げる私に、階堂さんは私の腕を掴む。

「それは…君に会いたくて、会いたくてたまらないからだろう!!」


そう言って見つめてくれたその瞳は、あの日。

階堂さんに強く抱かれた日の、あの瞳と一緒だった。


「なのに君は!……携帯の番号を変えてしまうし……俺がどんなに不安な気持ちだったか、君にわかるか!?」

階堂さんはまるで子供のように、自分の気持ちを私にぶつけてきた。

大人だと思っていた階堂さんの、純粋な部分。


「わかりません。」

私の返事に顔を歪めた階堂さん。

「だって階堂さんには、婚約者がいるって……」
< 141 / 289 >

この作品をシェア

pagetop