Gentle rain
「さあ、思いきって声をかけてごらんなさい。恋愛に大事なのは、相手を信じること!」

店長はそう言って、私の背中を少しだけ押してくれた。


でも私には、それで十分だった。

その軽い力で、お店の軒下で待つ、階堂さんの元へスーッと引き込まれていった。


カランッと、お店のドアが開く音がする。

その音に反応して、階堂さんはこちらを向いた。

「美雨ちゃん。」

私を見て、時が止まったように、私を見つめる階堂さん。

「あっ、偶然この近くを通ったから、お店にいるかなって思って……」

「うそ。」

すかさず私は、その話を遮った。


「店長から聞きました。ずっと、ここ最近ここで待っていてくれたって。」

「ああ……」

その何気ない階堂さんの返事に、胸が熱くなってくる。

「…私の事を……待っていてくれたんですか?」
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