Gentle rain
「芸術品って……そんな大層なものじゃないわよ。」

階堂さんの言っている事が大袈裟すぎて、笑ってしまう。

「美雨。」

初めて自分の名前を呼ばれた気がして、ドキッとした。


「美雨。君が大層なものじゃないと言う物が、芸術品に見えてしまうほど、俺は君に夢中なんだよ。」


どうして人は、好きな人に耳元で愛を囁かれると、嬉しいはずなのに涙が出るのだろう。


「誰にも渡したくない。一生君を、俺の腕の中に閉じ込めておきたい。」

「うん……私も……閉じ込めてほしい。」


ほんのりとした灯りの中で、階堂さんの優しい眼差しだけが、私の瞳に映る。


「一生、階堂さん以外の人を見れないように、私を階堂さんだけのものにして。」
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