Gentle rain
「三科と言います。よろしくお願いします。」

「……階堂です。こちらこそ。」

ありきたりな挨拶を交わして、俺達は乾杯を交わした。

「階堂さんは、ご令嬢の相手なんでしょう?」

「どうですかね。結婚の約束はしましたが、あれだけ清楚であれば、自分は合わないのではないかと、思ってしまう。」

「あっ、思ったよりも謙遜な方なんですね。」


気軽に近づいてくる相手は、何か腹に持っている奴が多い。

当たり障りのない回答をしておくのは、一番ベターだ。


「僕は、はっきり言ってタイプじゃないな。」

俺は飲みかけのワインを、零しそうになった。

「ご令嬢、30は超えていますよね。だとしたら、もう少し色気があった方がいいなぁ。」


はっきりと意見を述べる相手は、推定20代半ばだと見受ける。


「セクシーな方が、好きですか?」
< 73 / 289 >

この作品をシェア

pagetop