Gentle rain
無論、俺が菜摘さんと結婚しようとしまいと、あの人は変わらずに、接してくれるような気がする。

それでも、小さな胸騒ぎは収まらなかった。

俺の中で、何かが動き始めた。


その胸騒ぎを引きづりながら、時間は夜へとなった。

18時、19時と時間は過ぎ去り、遂には20時も回ってしまった。

美雨ちゃんは、まだ来ない。

元はと言えば、俺が強引に言ったことだ。

しかも、彼女は『行きます。』と返事はしていない。

もう、来ないだろう。


俺はそう確信し、帰る準備を始めた。

無機質にスケジュール帳をカバンの中に入れ、上着を羽織った時だ。

ふとドアの向こうに目を向けると、誰かの靴音が聞こえる。

しかも、近づいては遠のき、遠のいては近づいている。

ここに来る事を迷っている?

俺は、靴音が遠のいている時に、勢いよくドアを開けた。
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