赤い糸


私は次の日も学校を休んだ。
もはやズル休みの口実に、親は納得せざるを得ない。

そして、また次の日も…

さすがに、その次の日はしんちゃんは制服でうちに来た。
仕方なくしんちゃんの自転車の後ろに乗る。


「しんちゃん、学校嫌や。どっか行こー」
と、わがままを言う私に、どこにおっても、地震は来る時は来るでと当然の答えが帰ってくる。

じゃなくて、サボろうやと言うと、学校へ行く道を通り過ぎショッピングモールに着いた。

まだ、店は開いていないが、ショッピングがしたい訳では無い。
ただ、しんちゃんと喋ったりじゃれあったりしたかっただけだった。

しんちゃんも、それを分かっていたらしく、希望通りにしてくれた。


後に、友達が神戸の方に行っていて、散歩している時に地震が起き電柱が倒れて下敷きになって亡くなったと聞いた。

特に中が良かったわけでは無いが、中学の同級生皆が集まる花見で話題に上がった。


その後大きな地震はなく、日常に戻りつつあったが、震源地に近い所の映像を見ると、目を背けたい状態になる。

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