赤い糸

就職



流産してから、数ヶ月が経ちクラス替えも終わった。

うちの高校は程度が低いので就職組が多い。

私はまだ赤ちゃんのことを引きずってるのか引きずってないのか分からないまま、普段の生活に戻っていた。


朝はしんちゃんの後ろに乗って登校し、授業は適当に受けて、お昼を食べて、放課後は部活。

しんちゃんは、まだバイトを続けている。

私にはまだその時は、将来のことを考える余裕は無かった。

それは、しんちゃんも同じだろう。

ただ、就職組と進学組とは何となく別れていった。
私はどっちつかずだった。


私は放課後、たまに進路指導室に行く。
先生がお菓子を出してくれて話をしてくれるからだ。


そして、その日も何気なく進路指導室に足を運んだ。

就職の募集の貼り紙を、斜め読みのように見て、私は日を見張るものを見つけた

< 82 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop