甘いキスをわたしに堕として。
いまは私がいるのに…っ!



「…じゃあこれから私を守ってくれる?」



甘い甘い声。


まるで2人の周りだけ空気が違くて…
この場にいることがツライ。




「俺は_」



朱里が何かを言い出すよりも先に、ガタっと席を立つ。




途端にみんなの視線が私に向けられ_



チラッと交わった視線。



相変わらず漆黒なその瞳。



隣の美玲さんは…勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。



「あーちゃん…?」



「っ帰る」


律の心配そうに私の名前を呼ぶ声は無視して、勢いよくこの部屋を飛び出す。
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