甘いキスをわたしに堕として。
♢♢
松葉杖生活は終わり、お兄ちゃんの命日まであと数日というとき。
このときから、すでに崩壊し始めていたのかもしれない。
わたしはまだ本質をわかっていなかった。
なにがどんなに恐ろしいのか。
ゆっくりと_確実に魔物が忍び寄っていることなんて気にも止めてなかった。
最初におかしいと異変を感じたとき。
「っ朱里さん…!た、匠が!」
匠くんの次に偉いとされている千尋くんがそう叫びながら幹部室に入ってきた。
え?一体何があったの?
ここにいる誰もが意味を理解できなかった。