再会した幼馴染に溺愛されています。

「少し疲れたけどすげー楽しかったよ、アキがいてくれるから。」


「私だって同じだよ。また来ようね冬馬。」


すっかり静けさを取り戻した夜道に私と冬馬の寄り添う影が二つ。


「ああ。でも俺はこれからの季節がめちゃくちゃ楽しみだ。」


「そうだね、いろんな景色を冬馬と楽しめたら良いなって思う。」


長い間何度も繰り返される季節を、私はこの人と生きていくんだ。


そしてその度に冬馬と出会えて良かったと想うんだろうなあ。


冬馬も同じ気持ちだといいな。


「まだまだこれから沢山の幸せをアキに贈るよ。だからそばにいてくれ。」


「言われなくても居るよ。冬馬じゃないとダメみたい。」


一時はどうなるかハラハラの展開があったけど今では笑い話だね。


この毎日を包む時間がいつまでも続いていくように、私は夜空の星に願う。


「そろそろアキの家だな、その……またな。あと連絡するから。」


「うん……寂しいよ……。」


私の家の近くで立ち止まり、突然この楽しい時間も終わりを迎える。


ワガママ言っちゃいけないんだけど、今日くらいは甘えたい。
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