再会した幼馴染に溺愛されています。

「張り切ってるのは私だけじゃないよ。下に行ってみてよ。」


夏菜に言われるままに私は階段を降りるとそこにはまた珍しい光景が映っていた。


「お、お母さん!なんでそんなに気合い入っちゃってるの!?」


「初めてうちの子が好きな人を連れてくるんだもん、張り切っちゃうよ。」


お母さんはいつものエプロン姿ではなく、よそ行きの服に身を包んだままフローリングを磨き上げていた。


こういう時だけ全力を出すなんて私と同じだ……間違いなくお母さんの子だよ。


「あれ?お父さん……もう起きてるの?」


「何だ秋穂。父さんはいつでも早起きしてるだろう。」


嘘ばっかり……。
日曜日はお父さんいつも寝てるじゃん。


でも張り切ってる様子はなく、ムスッとした表情で新聞を読んでいるお父さんはもしかして寂しいのかな……。


「気にしなくて良いのよ。お父さんは秋穂に彼氏が出来たこと知って少しショックなだけだから。」


「へー……。あのお堅いお父さんでもそんな事あるんだ……。」


なんか少しだけお父さんの気持ちが分かって申し訳ない想いになるけど、私は冬馬に幸せにしてもらうから安心して。
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