再会した幼馴染に溺愛されています。

「そしてここを選んだ何よりの理由はな……」


冬馬は腕を組み得意げに話し出すとタイミング良くウェイターが私達の席へと来る。


「お待たせしました、ご注文頂いたメニューとキャンペーンサービス中のケーキです」


美人な店員だなあ、と他愛もない事を思ったけどキャンペーンとは何だろう。


「なんと今はカップルで来店するとケーキが無料で付いてくるんだよ」


「カカ、カ、カップル!?」


今の店員にも周りのお客さんからもそう見えていると思うと顔が真っ赤になる。


まるでケーキの上のイチゴみたいに……。


「ほら先に味見させてやるよ」


冬馬がそう言いながらスプーンですくい私の口へと運ぶ。


「あ、あーん……美味しい!!」


カップル感丸出しの行動への恥じらいよりもその味に感激してる私ってやっぱりマヌケかな……。


濃厚な味わいは評判通りだ。
流石は有名店と感動しちゃった。


「おっマジで?俺も食べようっと」


冬馬は何も気にせず私の使ったスプーンでケーキを頬張る。
本人は「美味すぎ」と言いながら夢中になってるけど、間接キスだと思うとやっぱり恥じらいが前に来る。


そして冬馬の新鮮な姿はいつまで見ていても飽きなかった。
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