再会した幼馴染に溺愛されています。

「ありがとう冬馬……」


結局悩んだ末に最初に見せられたネックレスを買ってもらった。
初めてもらう異性からのプレゼントが冬馬で良かったと心から思う。


「気にすんな、でも学校でも毎日つけておけよな?」


「つけたいけど校則違反になってバレたらめんどくさいよ」


「ワイシャツの中に隠しておけば見えないから、わかったな?」


つけて欲しいという思いに押されて思わず「うん」と返事をする私。


確かにバレないとは思うけど……。


その場で着用したネックレスを思わずキュッと握りしめる。


手のひらの中のそれは、気のせいなんだろうけど暖かい。


「やっぱよく似合ってるよ、買ってよかったと思う」


冬馬は満足そうにしてるけど、なんか手慣れてるよね。


実はこういう経験あるのかな……?


そんなこと考えちゃいけないのに、冬馬を想う度にモヤモヤとした何かが同時に浮かぶ。


何だろうこの感じ。


この日はその気持ちの正体に気付くわけもなく私は歩き出す。
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