再会した幼馴染に溺愛されています。
「アキ!」
「ん?どうしたの冬馬……そんなに息切らして……」
そんな反応しなくても、らしくない事くらい自分が一番分かってる。
それにアキは一人みたいだから都合が良い。
「ひゃっ……冬馬……」
アキの細い声が俺の腕の中で聞こえる。
ろくに会話をする前に、気付くと俺はアキを抱きしめていた。
「苦しいよ〜!」
アキはそう言いながら俺の腕をポンポンと叩く、ちょっと強く抱きしめすぎたか。
「悪いな……気にすんなよ。また後でな」
「はあ!?突然何なのよ……」
アキの事を見たら落ち着いてきた。
途端に俺の体温も上がる。
「あー……多分この暑さで頭がやられたのかも、まあそのうち良くなるさ」
気温ではない、恋の熱さだ。
「ちょっと保健室に行こうよ!歩ける!?」
余計な心配かけちまったか……。
嘘ってのは難しいもんだな。
つーかこんな下手な嘘を信じるなよ。
ピュアすぎて騙されやすいのか?
そう思うと余計に心配になりまたアキを抱きしめた。
さっきよりも強く……強く。
離したくねえ。