再会した幼馴染に溺愛されています。

「あ〜だりいな!!」


真面目に教室の窓を拭く私とは正反対に冬馬は文句を垂らし手を止めている。


「ちょっと真面目にやってよね!元はと言えば冬馬のせいなんだから!」


「だーかーらー。俺は約束を守っただけで何も悪くねえ!」


この人開き直っちゃってるよ。


そういえば教室ではこんなに喋ってる冬馬を見たことない。


昔から慣れない人にはめっちゃクールだったことを思い出した。


「そんなに怒るなよ、感動の再会じゃねーか」


「怒ると言うかビックリしたんだよ!なんて言うか……その、初めて……だったんだからね」


キスされた事を思い出す度に体が熱くなる。


学校では思い出さないようにしよう。


「バカ!俺だって初めてだっつーの!」


えー!?
あんなに手慣れた感じだったのに……。


でも嘘をつかない事を考慮するとそうなのかなあ。


チラッと見ると顔を赤らめてぶっきらぼうな態度を見せる冬馬に少しキュンとしちゃった……。
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