同居人は無口でクールな彼



「ご、ごめんね」

「いや……怖いならそのままでいい」


翔哉くんの手を握っているわけでもない。

隣を歩いているわけでもないのに。


半歩後ろを、翔哉くんのカバンを握って歩いた。

それが、どうしてかドキドキして仕方なかったんだ。



「ありがとう」


後ろ姿にそう伝えると、翔哉くんがふっと笑った気がした。




< 109 / 285 >

この作品をシェア

pagetop