同居人は無口でクールな彼



結局、学校から少し離れたファミレスにやって来た。


「ごめんね。遠くにしてもらって」

「それはいいけど……」


こうして遠くのファミレにしてもらったのには理由がある。

それは、同じ学校の人に話を聞かれないようにするため。


「灰谷くんもごめんね」

「それは俺もいいけど、どうしてわざわざ遠くに?」

「学校の人たちに聞かれるとまずいと思って」

「聞かれたらまずい話?」

「まあね……2人もこれからわたしが話すことは他言しないでね。バレたら殺されちゃう」


目の前の2人は、「大袈裟な」と言いたげな表情だった。

確かに「殺されちゃう」は大袈裟だったかもしれない。


「実は今ね、お母さんがお父さんの出張先に一緒に行ってて」




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