同居人は無口でクールな彼
「男子の腹筋描きたかったんだよねえ。片方が陸上部っていう設定だから、体鍛えてるだろうし」
「篠原くんは腹筋ありそうだよね」
「確かに。よし、篠原に頼もう」
確かに翔哉くんは空手部だし、体鍛えているだろうけど。
きっと写真を撮らせてくれることに、同意しないと思う。
「俺が何だって?」
「うわっ!」
突然の登場に、声を上げたのんちゃんだけでなく、わたしも灰谷くんも驚いた。
翔哉くん、いつの間に来てたの――!?
「篠原!来たなら普通に声かけてよね」
「普通にかけたじゃん」
「今のは普通じゃなかった」
「…………」
翔哉くんって神出鬼没。
突然現れたと思ったら、気づけばいなかったり。
「あのね、篠原。今日は写真たくさん撮らせてよ」