同居人は無口でクールな彼
あれからのんちゃんは漫画を描いていることを隠さなくなった。
教室でも堂々と話している。
でも、クラスメイトの誰一人としてのんちゃんを非難する人はいなくなった。
この前のいざこざがあってからというもの、クラスの人たちはのんちゃんに気を使っているような気がする。
翔哉くんの脅しがきいたのもあるかもしれないけど、明らかにクラスの雰囲気は変わっていった。
好きなものを好きだと言えるようになったと思う。
周りに合わせていた人たちが、徐々に自分というものを出し始めた。
「のんちゃんはすごいね。もう好きなものがあって。将来は漫画家を目指してるの?」
「まあね。家族は反対してるけど。小さいころからの夢だから」
「いいなあ。わたし、まだ自分が何になりたいのか、何が好きなのかもわかってないのに」