同居人は無口でクールな彼



「ありがとう!私ね、放課後にこういう空き教室で一人で漫画描いてたんだ。部活がない時に手伝ってほしいの」

「うん、いいよ」


こうして、佐藤さんの漫画を手伝うことが決まった。

まさかこんな形で、クラスメイトの一人と話ができるとは思わなかったけれど。

思わず二ヤけてしまうのを、おさえられなかった。



「ねえ、私のことは希美って呼んでよ、野々村さん」

「希美ちゃん……」

「私も野々村さんのこと、鈴香ちゃんって呼んでもいい?」

「うん、もちろん!」




ひとりきりだった放課後はむなしいだけだったのに。

放課後が来るのがこんなに待ち遠しくなるなんて。





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