同居人は無口でクールな彼



きっと翔哉くんは、教室でのわたしたちのことを言っているんだ。



「友達だよ?希美ちゃんとは」


何かを疑うように、わたしをじっくり眺める翔哉くん。

彼とこんなに目が合うのは初めてだった。



「へえ、友達ねえ。教室で一言も話してないのに。それが友達」

「それはわたしが頼んだの。教室ではいつも通りにしようって」


まだ何か言いたげな翔哉くんは、リビングを出ていこうと体の向きを変えた。

でも、すぐに振り返った。



「それって今までと変わらなくね?」

「え?」

「そこまでして友達になる必要ある?」


翔哉くんと話せるのは嬉しい。

でも、まるで責められているような感覚になった。




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