同居人は無口でクールな彼
「なあ」
何かに気づいた翔哉くんが、ふと口を開いた。
「これがあんたたちの友達?」
「え?」
あんた“たち”――?
翔哉くんは、わたしとどこを見てる?
「あんたたちの関係が友達なら、俺はいらないね。そんな存在」
翔哉くんはわたしと、その後ろを交互に見た。
何を見ているのかと振り返っていると、そこには――
申し訳なさそうに、眉を下げる希美ちゃんの姿があったのだ。
「希美ちゃん……」
「鈴香ちゃん……」
わたしたちは顔を見合わせた。
でも、お互いに何も言葉が出てこなかった。