同居人は無口でクールな彼



「大丈夫だよ。希美ちゃん、わたしと帰り道逆じゃない」


それに、襲われる心配があるのは、わたしよりも希美ちゃんの方。

逆にわたしが送っていかなくてもいいのか考えてしまうほどだ。



「ねえ、鈴香ちゃん、聞いてもいい?」

「なあに、希美ちゃん」

「この関係、ずっと続ける?」

「え?」


下駄箱に向かっている廊下で、ふいに希美ちゃんからの質問があった。

その問いは予想外のもので、思わず聞き返してしまう。


「どういうこと?」

「あのね、この前、篠原に言われてずっと考えてたんだ」


一つ翔哉くんに……?

もしかして、文化祭のクラス委員を決めた後のことを言ってるのかな。





< 88 / 285 >

この作品をシェア

pagetop