【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
風邪で苦しんでるのに、優しい凌玖先輩がするわけないよ。
「凌玖先輩はそんなことしないよ。それに、風邪引いてるんだもん。ゼリー届けて、ちょっとお話しするだけだよ」
「弱ってるときって、好きな人ほど一緒にいてほしいもんじゃん」
「そうなの?」
「俺だって、入学式の日……って思ったけど、なんでもない」
なにか言いかけたけど、ふいっと顔をそらして話を終えた。
入学式の日……。
朔夜くんも熱を出してた。
でも、『風邪が移るから来ないで』って朔夜くんのお母さん伝えに玄関先で言われて、お見舞いに行けなかった。
今回はそのときとは違う。