【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
意を決めて、凌玖先輩の名前と電話マークをタップした。
耳にスマホをあてたら、すぐに繋がった。
『もしもし』
大好きな声が聞こえてくる。
「あっ、歌桜です! 今日も家までありがとうございました」
『こちらこそありがとう。お母さんとお父さん、帰ってきた?』
「はい! 凌玖先輩が帰ったあと、戻ってきました」
『会えなかったのは残念だけど、歌桜がひとりの時間少なくてよかった』
わたしの心配をしてくれるなんて、どこまで優しいんだろう。
「全部、凌玖先輩のおかげです」