【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
歌桜以外の女子と、仕事以上にいるのはごめんだ。
「……そう、でしたね。また明日もお願いしますね」
「ん。じゃあ」
できるだけ簡潔に済ませて、教室に向かいながら歌桜に電話をかけた。
耳に当てれば数コールで繋がる。
『もしもし』
さっきまで一緒にいた声が耳にスッとはいる。
聞きたかった……声だ。
ひと言だけなのに、会いたい気持ちが高まった。
「いま終わった。教室にいる?」
少しでも早く会いたくて、駆け足で歌桜の教室を目指す。
念のため居場所を確認したら、戸惑った返事が返ってきた。
『えっと、模擬店の教室にはいないです!』
模擬店の教室にいない……?