【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
今日は入学式ということもあり、お昼に学校が終わった。
もらった新しい教科書を整理してたら、高い声が聞こえてきた。
「歌桜〜! 藍澤先輩が! 呼んでる!」
「えっ……!」
廊下から戻ってきた華恋ちゃんが、わたしのところに慌ててやってくる。
「廊下のドアのとこ!」と指を向けられた先に、にこっと笑って小さく手を振る藍澤先輩がたしかにいた。
本当に迎えに来てくれた……?
「やっぱり来てくれたじゃん。先輩とマジでそういう関係なの?」
「……!」
耳もとでこっそり話すから、首を振って否定した。
「ち、違うよ……!」
保健室で話したし、付き合ってるとか、そういうのじゃ……。
チラッと藍澤先輩を見れば、切長な瞳とばっちり目があう。